シン・エヴァンゲリオン劇場版を観た話

初めてエヴァンゲリオンを観たのは中学生の頃だった。

 

友達の家でハヤテのごとくを読んで、桂ヒナギクが好きになった。

夜中にこっそりテレビをつけて乃木坂春香の秘密を観て、乃木坂春香が好きになった。

GYAO涼宮ハルヒの憂鬱を観て、朝比奈みくるが好きになった。

 

順調にアニメを観るようになる中で、『新世紀エヴァンゲリオン』という作品があるのは知っていた。

当時中学生だった私は「昔の作品だけど、有名だし観てみるか」くらいの気持ちでなんとなく観た。

 

 

衝撃だった。めちゃくちゃハマった。

そしてこれまでが吹っ飛ぶくらい、アスカがめちゃくちゃ好きになった。

 

 

そのまま旧劇場版も観たけど、もう訳がわかんなくって、訳わかんないままアスカがどんどん好きになった。

 

新劇場版『序』は既に上映が終わってたのですぐにTSUTAYAに借りに行った。映像の綺麗さに度肝を抜かれてますますエヴァの深みに嵌っていった。

その時には既に「エヴァンゲリオンには一家言ありますよ」みたいな体でいたと思う。

 

『破』が公開されたけど、その時は映画館には行かずにTSUTAYAで借りられるまで待った。当時は一人で映画館に行けなかった。

本当にアスカが好きになった。

 

 

高校生になった。

『Q』が公開されて、友人と二人で映画館に観に行った。

帰りにラーメンを食べながらあのシーンはああだとか、あれはこういう意味だとか感想を言い合ったのが昨日のことのように思い出される。

 

 

大学生になった。

暇を持て余してアニメを観ては、Twitterに感想を書いたりした。

 

 

社会人になった。

前に観た好きなアニメを観返すことが増えた。

 

 

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開が決まった。

初日に観に行きたいな、と思っていた。あと本当に終わんのかな、とも。

コロナの影響で公開が延期になったけど、今さらどうってことはなかった。9年も待ったなどとよく言われるが、私には「もう9年経ったのか」という感慨があっただけだった。

レイトショーのチケットを予約して、仕事終わりに一人で観に行った。

 

シンジが14年眠っている間に、アスカは大人になってしまった。身体は子供のままだけど、髪は伸びるし心には14年の月日が流れる。

シンジを好きになるようにプログラムされていても、14年という月日はそのプログラムだけでは埋めるには長すぎる。

 

エヴァを初めて観てから12年経った。あの頃にアスカが好きだとプログラムされたんだと思う。

初めて観た時は子供だったけど、俺も大人になってしまった。

 

劇場を出た直後の、充実感と喪失感がない混ぜになった複雑な感情。ずっと待ってた大人のキスじゃん。

 

とかぼんやりとした頭で考えるうちに、エヴァンゲリオンという作品に本当に終止符が打たれたんだと腑に落ちた。

 

エヴァンゲリオンが好きだった。アスカが好きだった。これは本当の気持ちだ。

 

 

とてもいい映画だった。

ありがとう。さよなら、エヴァンゲリオン

sora tob sakana「deep blue」

sora tob sakanaという、本当に応援していたアイドルが解散を発表した。

 

sora tob sakanaの活動に関するお知らせ -sora tob sakana Official Website-

 

長い活動の中で他者への想像力を培った彼女達が、誰にも触れさせなかった聖域をしなやかに解放していく様を感動しながら、少し寂しいような、少し自慢したいような気持ちで見ています。

 

sora tob sakanaの魅力は、少年少女たちだけが持つ無垢と自我の気高くも緊密なバランスにあると思う。

大人になると失われていく、今なら何でもできそうだという全能感と、それが幻想だと自覚している少女たちの瞬間的なゆらぎが、決して触れられない聖域のように感じられる。

 

そんな中、先日発売されたラストアルバム「deep blue」は、新規書き下ろしの2曲に併せて、これまで発表されてきた楽曲が再録されていて、sora tob sakanaが辿ってきた軌跡そのもののような一枚だった。

 

 

deep blue(BD付初回限定盤 2CD+2BD)

 

 

1stアルバムの最後の曲が、ラストアルバムの最初の再録曲になっていて、始まりの終わりから追憶が始まるメッセージ性に打ちのめされてしまった。ヤバすぎるだろ。

 

 

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一度爆発したので落ち着きました。

 

 

再録された曲と初出の曲を改めて聴き比べると、同じ楽曲でも感じる印象が大きく異なっていると気づく。

 

この印象や感覚を言語化するのは本当に野暮で、これらを全身全霊で表現してきた人たちがsora tob sakanaというアイドルだったのだと思う。

 

アルバムの最後は「untie」という曲で終わります。

曲名のごとく、sora tob sakanaという歴史が「ほどけて」いくような、静かな音楽だった。

 

決して平坦では無かっただろう、アイドルという戦国時代を泳いできた彼女たちが、深く青い海に還っていくような、さよならが伝わってきました。

 

これからも何度も何度も聴いては、輝いていた星々を眺めて、歴史に想いを馳せるのだろうと思う。

 

sora tob sakanaの皆さん、それに関わってきた全ての方々、ありがとうございました。

 

これからもそれぞれの世界でしなやかに泳ぎ続けてほしい。

 

 

おわり

ハイボールを買って帰る方法についての考察

コンビニで缶のハイボールを買って帰る。

 

わざわざ袋を貰う程でもないな、と袋を断ってリュックに入れようとして気付く。

さっき買った本が裸で入っている。

 

本を濡らしたくねえ。

袋の偉大さを知る。

 

けどコンビニ袋に商品が一つだけ入ってる感じは本当に無駄な気がする。

資源の無駄という話ではなく、手の把持リソースの無駄という話です。

一つの手に対して一つの商品なら間に袋をかませる必要ないじゃん。

 

缶のハイボールを素のまま持って歩く。

 

ふと、いまの状況は金曜日だからって仕事終わりに酒を飲みながら帰ってる人間に見えるのではないか、と思う。

いや見られてもいいけど。この辺りに知り合いいないし。

 

あ、缶を逆さに持てば「開いてないですよ、ただ持ってるだけですよ」という雰囲気を醸せるのでは、と考えて缶を逆さに持つ。

 

これなら飲みながら帰ってる人には思われないだろう。そんな中、ふと思う。

 

飲み干した感がすごい。

 

これは仕事終わりに角ハイボール濃いめを飲み干して帰ってる人じゃん。

足取りがフラフラなのは元からだわ。

 

こんなの人に見られたらどうすんだよ。

いや見られてもいいけど。この辺りに友達いないし。

 

もう飲んじゃおうかな。

 

飲んだ。

 

うまい。

 

おわり

「天気の子」を観た

「天気の子」をさっき観てきました。

 

以下、思ったことを忘れないうちに書いときたい、というだけの乱文です。

 

まずこの映画を観るにあたって、「予告編やあらすじ等の事前情報をなるべく一切目に入れないようにして先入観無しで体験したい」という気持ちがありました。
ツイッターでも「天気の子」「新海誠」「天気」などをミュートワードに設定していた。タイムラインに「明日の天気」も流れてこない。

 

おかげで冒頭の映像から度肝を抜いてしまい、ポテトを食べる手が止まって冷め切ってしまった。映像表現は本当に凄かった。

 

今回の新作の「天気の子」というタイトルを知ったとき、新海誠はこの作品に大切なものを賭けていると感じました。

新海誠作品は映像が美しいと言われていますが、それ以上に舞台装置の天才だと思う。

 

 

秒速5センチメートル」では雪という天気のせいで電車が止まり、打ち上げられたロケットの行先を見続けるけど、心は桜の木に囚われてしまう。

人の力では変えようがない世界で歩み続けるしかない悲哀や暗澹を、怒涛の舞台装置で浮き彫りにしながら描いていく。その舞台装置の映像が美しいものだから心に刺さって仕方がない。

胸に突き立てられたものの現実味を伴う生温さが、この作品を気持ち悪く感じる人が多い要因だと思う。でも好き。

 

 

その新海誠が、あらゆる装置を使って緊密に組み立てた世界が「君の名は」だったように思う。

巫女の髪飾りの組紐、口噛み酒といった装置が、黄昏という天気で繋がり、過去と現在と未来をひとつに結び、それを表現する美しい映像技術と音楽に打ちのめされてしまった。

変えようがない世界に立ち向かうことに、一つの答えを提示した作品だった。好き。

 

 

そこで発表されたタイトルが「天気の子」ですよ。

何度も言いますけど、天気はこれまで新海誠作品でとても重要な役割を担ってきたと思う。

その天気を自由に変えることができるという力は、新海誠作品の中ではもはや神にも近い存在だ。

ヒロインが舞台装置そのものとなってしまって、物語を捻じ曲げる力を持ってしまう。

必然性とか因果関係を無視して、ヒロインは天気、すなわち物語を操ってしまう。機械仕掛けの神が降臨しまくる。

ですが、映画の冒頭で占い師の老婆が言っていたように世界にはホメオスタシスが存在する。一定の状態を保ち続けようとする世界、平衡を取り戻すために働いていた力学(終わらない雨)に抵抗するためには、晴れを祈るには大きな代償を支払わなければいけない。

 

そこで一番印象的だったシーンが、警察から逃げた三人がラブホテルに駆け込むシーンです。冷えた身体を温めるために順番にお風呂に入る三人。

最後にお風呂から上がった天野陽菜を見てハッとした。バスローブを纏った姿は白装束のようで、これではまるで禊を終えた巫女だ。

彼女はラブホテルのジャグジーで湯浴みをしながら、世界に抗った代償として、人柱として天気の神に差し出される覚悟をしていたのだろうか。一体どんな気持ちだったんだろうか。

このシーンで「天気の子」というタイトルの意味がガツンと胸に来て泣いてしまった。

 

主人公である森嶋帆高は、天気の神に奪われてしまった天野陽菜を取り戻しに行く覚悟を決める。これは新海誠の決断でもあり、この決断こそ非現実なまでに大きな舞台装置を用意して「天気の子」でやりたかったことではないか。

 

「祈る」ということは、「そうしたい」という強い決断の表れだ。決断には大きな代償が付きまとう。

それでも、天野陽菜は人々の笑顔のために晴れを祈り、森嶋帆高は天野陽菜のために雨を祈った。

 

どうしようもない恒常性が働き続ける世界で、二人がこうして出会うためなら東京が沈んだっていい。そういう世界を選んでもいい。きっと大丈夫だから。

 

これまでの作品を経て、新海誠によってそういう「祈り」が提示されたことにグッときました。

本当にいい映画だった。

 

ありがとう、天気の子。

 

 

 

あとiPadのタッチキーボードで就活のESを書くのは大変そうだと思う。

福岡・佐賀旅行の話

人間は10%しか脳を使っていないという話がある。

 

人が普段使っているエネルギーは、おそらく10%くらいだ。

日常生活において、残りの90%は使わないままだと思う。10%で回し、淡々とこなす。
休日は一日中家にいても楽しいし、どうしようもない毎日を淡々と乗り切る中で生まれる尊さや、ある種の美しさも、普段の生活の中には存在すると思う。
だがふとその中で残りの90%のエネルギーが垣間見える瞬間はとても面白い。間違いなくそれはその人の魅力だ。
その90%はたまに動かしていないと身体の奥底に澱み、二度と使えなくなる気がする。
10%のおじさんになってしまうことが怖い。
魅力的になりたいとか、面白くなりたいとか、そういう話ではない。10%の世界から戻れなくなってしまうことがひどく恐ろしい。
動かせるエネルギーがどんどん小さくなっていることに自分自身で気付くことは本質的に不可能だ。
動かせるものは動かせるように抗いたい。

 

というテーマで九州旅行に行ってきました。
90%嘘です。旅行は最高。

 

僕は今まで九州に行ったことが無く、「九州初上陸を台無しにしたい」という思いがありました。
その旨をふじいりさん(@fuzuiR)に相談したところ、「金曜に有給を取るので、二泊三日で台無しな旅程を組みましょう」と乗ってくれた。
もう一人ほど九州台無しツアーに付き合ってくれる人を探していたら、「金曜の夜に仕事終わったら博多向かって合流します」と鰐人さん(@wani_jin)が釣れ、こういったメンバーになりました。なんだそのアカウント名。
近くにアホが2人もいてよかった。

 

 

〜旅行1日目〜

 

 

朝5時に起床。バカみたいな時間の飛行機を取ってしまったので、前泊した友人の家から始発で待ち合わせの梅田へ向かう。ふじいりさんを発見。

パスピエの最終電車を聴きながら来ました」

なんでだよ。歌詞に全く共感できない状況でやって来たふじいりさんと合流。台無しの予感に胸が踊る。


バスで関西空港へ向かい、そこからピーチ航空を使って福岡空港へ。ちょうどセールが開催されており、4000円くらいでチケットが取れた。安すぎる。墜落しても強く文句が言えない。

 

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強く文句が言えない飛行機。

 

搭乗してから滑走路までの移動が長く、「このまま陸路で行くかと思った」とか言い出すふじいりさん。悪い予感がする。

 

結果から言うとこの悪い予感は当たり、この旅行はこういう小ボケがずっと続くことになりました。離陸。

 

機長「ホニャホニャホニャ(なにやら英語)」
CA「ただいま機長が申しました通り〜」
僕ら「全然分からない」「詰んだ」

 

 

そうこうしてる間に着陸。初の九州上陸です。福岡空港は博多から近くてアクセスがめちゃめちゃよい。福岡空港は最高。関西空港は反省してほしい。


まずは本屋に行ってメモ帳を購入。旅行中に起きた色んなことを箇条書きで書き込んでいこうという寸法です。このレポもそのメモ帳を読みながら書いている。

以下、箇条書きはメモそのままです。

 

・味のタウン
味がすごいするタウン。

 

まずは博多駅の周辺でラーメンを食べました。ラーメンと焼き飯のセットが650円。

 

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うまい。

 

 

さて、やることが無くなった。

 

 

その日の宿は取ってあるんですけど、予定がまるで無い。何なら次の日の宿はまだ取っていない。
とりあえずレンタカー受け取りの13時まで時間をどう潰すか。

九州初上陸から2時間で時間を「潰す」と言ってしまった。何も考えずに街をぶらつく。

 

 

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草むらに打ち捨てられていた自転車。修羅の国、何があったんだ。

 

 

雨が降ってきたのでカラオケに入る。とてもいい感じで台無しになってきた。
小一時間歌ったら喉も枯れてレンタカーの時間になったので一石二鳥でした。電車に乗ってレンタカー屋へ。
そこで気になる車内広告を見つける。

 

 

・HONEワールド、全開。
「HONEワールドが全開になってるらしい」「行こう」

 

 

マリンワールドという水族館の広告に釣られ、レンタカーに乗って水族館へ。
道中、ほかにいい観光スポットが無いか調べる。

 

 

元寇資料館
元寇への理解を深めるいい機会」「修学旅行の感想文みたいだ」

 

ベストアメニティスタジアム
「えー、部屋にシャンプーが100個ある」「それはベストではないだろ」

 

 

などと言っていたらマリンワールドに到着。突然うずくまるふじいりさん。

「100点の家族しかいない!」

遊び疲れて寝てしまった男の子を抱きかかえて歩くお父さん。100点の家族にあてられて動けなくなってしまったふじいり。

 

 

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かと思ったらずんずん進んでいく。

 

 

 

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イルカショーの広場に辿り着き、男2人で肩を並べてホットコーヒーを飲みながらイルカショーを心の底から楽しむ。
なんだこれ。楽しい。

 

・幸福のダム
イルカを見て無邪気な笑顔の子供達、を見て笑顔になるイルカショーのお姉さん、を見て笑顔になる僕。
「幸福のダムだ」「笑顔の連鎖がここで終わっている」

 

イルカが尻尾でボールを強かに打ち観客席に飛ばす圧倒的な迫力に気圧され「我々は生かされているに過ぎない」という感想を言い合いながら念願のホネのコーナーへ。

 

 

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HONEワールド全開といった感じでした。



その後、ラッコが餌を食べ続ける様子を10分間くらい眺めたり、佐賀県の尖ったPR動画を見たりしました。
この尖ったPR動画というのが「正しい干潟の遊び方」というタイトルで、大人三人が干潟に肩まで浸かって泥まみれになる様子が無音のスライドショーで延々と流れるという悪夢みたいなもので、これを公式として打ち出してるのが本当に凄い。
他にも有明海のみに生息するワラスボをフィーチャーした映画風のPR動画など、とても面白い。

行政がいい県、佐賀県

 

 

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いい水族館でした。

 

 

マリンワールドを離れ、板付遺跡に移動。

「歴史に本当に興味が無い」と言うふじいりさんを無理矢理連れて行く。
歴史に興味が無さすぎて、城を見ても「攻めやすそう」か「攻めにくそう」の二種類の感想しか言わない人である。

僕もあまり興味は無いが、このままだとカラオケ行ってイルカ見ただけで終わってしまう。

 

到着すると、駐車場に車が一台もない。思わず笑顔がこぼれる。

 

 

建物の中に入ると、ガイドのおじさんと地元の子供達がいた。
ガイドの方はとても丁寧に遺跡のことを教えてくれ、「歴史に興味が無い」などとほざいていた自分を恥じる。地元の子供達が増えてる。
この建物はあくまで資料館で、遺跡は近くにあるそうだ。場所を案内してもらい、さらに増えてる子供達に見送られながらいざ遺跡へ。

 

 

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みんな大好き、楽しいムラ。

 

 

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入り口に佇む謎のオブジェ。

 

ん…?

 

あれ…?これってもしかして…!

 

 

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籾(もみ)のキューヨンだ!!(籾 1994 のこと)

 

 

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本当に楽しい。

 

 



全力で遺跡を楽しみました。

 

 

この調子で志免鉱業所竪坑櫓へ。しめこうぎょうしょたてこうやぐら、と読む。

旧日本海軍日本国有鉄道によって運営された「国営炭鉱」志免鉱業所の採炭夫を昇降させ、石炭を搬出するための施設である。

らしいです(Wikipediaより)。有名な廃墟らしく、ワクワクしながら車を走らせる。

 

到着。

 

 

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すごい工事してる。

 


近くでは子供達がめちゃめちゃサッカーをしている。廃墟とは趣の異なる異質さがありました。

 

ついでなので周りをぐるりと回る。

 

 

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垂直跳びの高さがわかるポールがあったので、

 

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垂直跳びをしました。

 

 

いい時間になってきたので宿に車を置き、博多駅周辺へ繰り出す。

焼肉屋に入り、お酒を飲みながらずっと肉を食べる。写真は無いです。

 

食べ終わって気持ちよくなっている中、そろそろ博多に着く鰐人さんを迎えに駅へ。

 

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無事合流し、宿に向かう途中で〆のラーメンを食べる。

 

 

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かなり美味しかったジェノバラーメン。

 

 

・バキバキに勃起したオーキド博士「これはエッチポケモンじゃな。サトシ、ありがとう」
「何を見せに行ってもそれしか言わないオーキド博士」「ありがとう、って言うあたり本当に感謝してるんだろうな」「この後使おうとしてる」「使うとか言うな」

 

 

酒とラーメンで楽しくなって博多を歩く最悪の三人。
宿に着いてテレビをつけると、「佐賀県で鎌のようなものを持った男が逃走中」というニュースが流れていた。

 

 

「明日はこの男を捕まえよう」
などと予定を立てながら、コンビニで買ったお酒を飲みながら就寝。

 

 

 

〜旅行2日目〜

 

 

さて、やることがない。

 

 

とりあえず宿の近くにあったパン屋で朝ごはんを買う。

 

 

・トイプードルのくしゃみを見る
一番いい朝。

 

 

パンを持って近くにあった海浜公園へ。

 

 

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海を見ながら並んでパンを食べる。図らずもいい朝になってしまった。

 

 

・突端のマリゾン
「あの建物、マリゾンというらしいですね」「あの突端の?」「突端のマリゾン」「ラノベのタイトルみたい」

 

・詩的な認知症
「あれ、今日って31日でしたっけ?」「31日はもう生きたでしょ」

 

 

朝ごはんを食べ終え、結婚式(マリゾンは式場だったらしい)の鐘と共に打ち上げられ空へ浮かんで飛んで行く風船の束を眺めながら、この旅行のメイン目的である佐賀に向かう。

 

 

道中、気になる施設を発見。

 

 

「この近くにフォレストアドベンチャーがあるらしいですよ」「なんだそれ」

 

フランス語で【La foret de l’aventure】。直訳すると【冒険の森】。
1997年にフランス・アヌシー郊外でアルタス社がはじめたアウトドアパークの名前です。

キャノピーコースでは、自分で器具を操作することなく安全確保ができるコンティニュービレイシステムを採用しています。

 

「行きません?」「行こう」「コンティニュービレイシステムって何だよ」

 

 

森の中に作られた広大なアスレチックのことらしい。
佐賀を一旦忘れて、フォレストアドベンチャーへ。コンティニュービレイシステムを体験すべく山道を登っていく。

 

僕「ジブリみたい」
ふじいり「獣道だな〜」
鰐人(運転)「これ本当に道合ってるか!?おい!!」

 

 

車を拒むような獣道を乗り越えて到着。受付を済ませて待つ。

 

 

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ウッドチップタワーではしゃぐ大人たち。

 

そうこうしてるうちにお兄さんに呼ばれ、金具を装着する。
いざ、コンティニュービレイシステム!

 

 

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悪戦苦闘する鰐人さんをゲラゲラ笑いながら撮る俺と、

 

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めちゃくちゃキモい登り方をするふじいりさん。人がどうしようもない姿がこんなに面白いとは。

 

 

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「助けられたくないキモいレスキュー隊」

 

 

 

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ついさっきまで縄に絡まっていたとは思えない雰囲気で麓を見下ろす2人。

 

 

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謎のオブジェを見て帰りました。

 

 

動き疲れたのでそのまま遅めの昼飯へ。

「九州で本当に行きたかった店があるんです」と二人を熱く説得し、向かった店。

 

 

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ドライブイン鳥!

 

 

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うまい!ゾンビランドサガ最高!

 

満足です。

 

 

気を取り直して佐賀観光へ。

 

・右折おじさん
「あっ次右折だよ」「さっきから右折の時しか言わないな」「右折おじさんじゃん」

 

右折おじさんは交差点の中心でグルグル回すとどっちが右折か分からなくなり、爆発する。

 

 

右折おじさんと共に古湯温泉へと向かう。
山間に開けた景色を眺めながら露天風呂に浸かり、フォレストアドベンチャーでかいた汗を流しました。
温泉は最高。関西空港は本当に反省してほしい。

 

風呂に入ってさっぱりした一行は、佐賀と言ったら吉野ヶ里遺跡へ。

 

 

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閉まってました。

 

 

歴史に未練が無いので、そのまま佐賀の地物が食べられる居酒屋へ。
車で来てるのでハンドルキーパーを一人決めるためのじゃんけん。

 

負ける。腹いせにノンアルコールのグレープフルーツを飲みながら食べ続ける。

 


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佐賀といえばイカの活作り。本当にうまい。

 

 

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「活」の部分は天ぷらにしてもらいました。

 

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インディーズの魚たち。メニュー表を見ても何が出てくるのか本当に分からない。

 

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これは「うみたけ」です。

 

 

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本当においしい。

 

 

・マヨ器
「ワラスボ、マヨネーズつけて食べるとマヨネーズの味になる」「マヨネーズを口に運ぶための道具」「マヨ器」「マヨ器て」

 

・シェフに電流が流れる物理的ないいね
「美味しすぎる」「シェフにいいねしたい」「いいねボタンを押すと、シェフに電流が流れる」

 

 

佐賀、いい県だな。としみじみ思いながら酒くさい二人をトランクに詰め込む。

 

宿に向かいがてらお酒を買い、飲みながら就寝。

 

 

〜旅行3日目〜

 

 


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パン屋で朝食を買う。この旅行、毎朝パン屋に行ってるな。

 

 

「ここから福岡空港方面に行く途中でパン食べながら楽しめるスポットないかな」「そんな都合のいい場所ありますかね」

 

 

 

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あった。

 

 

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飛行機の時間があるので、1レースだけしか見ることが出来ない。この1レースに全てを賭ける千円一発勝負。

 

 

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真剣にパドックを見つめる二人。

 

 

「名前が面白いからミナミタッチタッチ」「おれはユアネイム」

 

名前で選ぶのかよ。
俺は名前が面白かったのでハーフパンツを買いました。

 

 

いざ!!

 

 

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うおー!!!!

 


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いけー!!!!

 

 

 

ダメでした。さらば佐賀。

 

 

 

福岡に戻りレンタカーを返却したあと、九州最後の昼ごはんを食べる。

 

 

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天ぷらが無限に出てくる最高のお店。

 

・ありがとう定食
「こんなのありがとう定食じゃん」「ありがとう定食の大」

 

 

ビールを飲みながら旅の終わりを迎えました。

 

 

というわけで三日間の福岡・佐賀旅行、これにて終了です。
台無しツアーと言いながら、割と満喫してしまった。是非また台無しリベンジしに行きたいですね。

 

 

悔いが残るとすれば、佐賀で鎌のようなものを持った男を捕まえられなかったことなので、次に九州に行くときは捕まえたいと思います。

 

 

おわり

人と物

「一人で生きていけそうだよね」と周りの人によく言われる。

 

そんなわけない。無理だ。むしろ一人では生きていけないと日々思っている。

 

今年に入ってから色々な物を失った。物というのは文字通り"物"で、小型カメラ、一眼レフのレンズ、スキーのストック、お気に入りのスニーカー、財布、釣り竿、リュック、壊れたり、なくしたり。こんな不幸があるかよ、と周りには笑っていたが、内心とても落ち込んだ。と思う。こんなにも落ち込むものか、と自分でも驚いた。

 

部屋の物を整理しようと決めた。お前の部屋は物が多い、と人からよく言われていたが、改めて整理を始めてみると物に溢れている。2年前に友人にあげたゲーム機の箱が押入れから出てきた。

 

物に依存しているのか。

 

一人では生きていけない人間が一人暮らしを始めると物に依存するのは必然か。部屋に価値を飾る。虚飾だ。寂しがり屋なだけかもしれない。

 

人は人に見出されることで自分自身に価値を持つ。絶対的な価値など無い。相対的なものだ。そんなことを考えた。

 

真に自分で自分自身に価値を見出すことが出来る人はいるのだろうか。いるとしたら、それが一人で生きていける人なのかもしれない。無敵だ。もしくは社会性を喪失している。絶対的な価値を持つことのできない人たちが寄り添って作り上げたのが社会なのではないか。

 

物に依存している人は外からどう見えるのか。「一人で生きていけそう」と見えたのだろうか。だとしたら不幸だ。

 

物は価値そのものだ。でもその価値は人が見出して初めて生まれる。物に依存しているということは、他人に依存している。

 

物を捨てている。ゲーム機の箱をゴミ袋に入れる。物から離れようとしているのか。

 

人と物。『人と人』と形が同じかもしれない。ただお互い組み合ったように見える二本の腕は、どちらもこちらから伸ばしたものだ。

 

もしかしたら俺は物にフラれたのかもしれないな、と考えて今この文章を書いています。フラれるというのは、相対的な価値の共有を断られるということです。とてもつらい。何を言ってるのかわからないと思います。俺もよくわかっていない。

 

そんなことを考えながらゴミ捨て場に物を捨てに行ったら桜が咲いていたので、よくわからないことを考えるのはやめた。

2017年のよかった漫画

2017年、アニメを観る時間が少なくなった。漫画と違ってアニメって、こう、読む(観る)テンポを強勢されるんですよね。そこも大事な表現の一つになっていると思うんですけど。アニメは全体的にそのテンポがとてもゆっくりで、最近その速さに追いつけなくなってしまった。俺は何に急いでいるのだろうか。このはな綺譚は全部観ました。

 

映画は『メッセージ』が本当に面白かったですね。打ち震えました。あと『ダンケルク』も凄い映画だった。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は最高。

 

漫画の記事なので漫画の話をします。今年もいい漫画がありましたね、あんま覚えてないんですけど。思い出しながら書いていきます。

 

 

それでも町は廻っている

それでも町は廻っている 16巻 (ヤングキングコミックス)

2017年、『それでも町は廻っている』が完結しましたね。11年間の連載だそうで、それ町は「漫画って面白いな…」と覚え始めた高校生の頃に近所の本屋で揃え始めた記憶がある。そこから色々と漫画を読むようになって、その中でそれ町は7年間ずっと繰り返し何度も読んできた。最終巻も本当にいい終わり方だった。俺の青春の一つでした。ありがとうございました。

 

 

波よ聞いてくれ

波よ聞いてくれ(4) (アフタヌーンコミックス)

この漫画も1巻が発売された2015年から話題になっていましたが、最新刊が出るたびに「本当に面白いな…」となっています。北海道のラジオ局の話なんですけど、言葉選びのセンスが尋常じゃなくて、人と仕事という題材でここまで笑えて面白い漫画を描ける人は他にいないと思う。今一番新刊が楽しみな漫画です。



・とんがり帽子のアトリエ

とんがり帽子のアトリエ(1) (モーニングコミックス)

魔法を巡る王道ファンタジー。登場人物の表情や背景までペンで緻密に描き込まれていて、読んでいるとどんどんその世界に浸れるような作品です。この世界では魔法は魔法陣をペンで描くことで発動するんですけど、じゃあもうこの漫画自体が魔法じゃん、という気持ちになる。今一番新刊が楽しみな漫画です。

 

 

ゴールデンゴールド

ゴールデンゴールド(1) (モーニングコミックス)

刻刻』の作者の方の最新作です。いま3巻まで出てます。この漫画は主人公の少女が孤島で地蔵のような人形を拾ったところから始まるんですが、今までの日常だと思っていたところに突然訪れる奇怪でゾクッとする瞬間、たまらないですね。触れてはいけない民俗的なタブーの奥深くにどんどん踏み入ってしまうように、ページをめくる手が止まらない。今一番新刊が楽しみな漫画です。

 

 

人形の国

人形の国(1) (シリウスコミックス)

弐瓶勉最新作。言うことなしです。白い世界に浮かび上がる黒のコントラスト、美しいですよね。あとヒロインがかわいい!バイオメガ最高!一番好きなBLAMEです!

 

 

少女終末旅行

少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)

廃墟の中をケッテンクラートでひた走る少女たちの漫画です。2017年、アニメ化もされましたね。緻密な建物と機構の描画の線がとても心地よい。線で描かれた漫画は本当に好きだ。哲学、と言うと安っぽい表現で嫌なんですが、穏やかな考え方が流れているいい作品です。

 

 

ゆるキャン△

ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

とても好きな漫画です。読んでいると焚き火の匂いがしてくるような、美味そうな料理の匂いがしてくるような。冬にキャンプをしたくなる。あとキャンプ小物を買いたくなる。キャンプっていいですよね。

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これはキャンプじゃないですが、富士山頂で飲んだコーヒーの写真です。すげえ美味しかったです。自慢です。

 

 

・放課後ていぼう日誌

放課後ていぼう日誌 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

アウトドア繋がりで、こちらは釣りの漫画です。釣りにハマっていく主人公の女の子がとてもいいですね。あの魚がバイトした瞬間のシビビ!という感覚。俺は釣りが好きなんですけど、この作品には釣りの楽しさが詰まっていて、即ちこの作品が好きです。絵柄もとても好きです。さっきから好きしか言ってねえな。

 

 

・ななかさんの印税生活入門

ななかさんの印税生活入門 (1) (まんがタイムKRコミックス)

印税で生活せんと目論む主人公の女の子が他の女の子たちの力を借りて印税で生活せんと目論むお話なんですが、ネタのナンセンスさがとてもいい塩梅で好きです。よくこんな面白い例えネタが思いつくな、と笑いながら読んでいます。

 

 

・まちカドまぞく

まちカドまぞく (1) (まんがタイムKRコミックス)

まんがタイムきららで一番好きな4コマ作品です。めちゃくちゃ面白い。まぞくになってしまった主人公と魔法少女の仁義ありし戦いの漫画です。一コマ一コマに凝縮された台詞とギャグが怒涛のように可愛いイラストと一緒に流れてきます。なのに感動してしまう話もあり、不意打ちをくらって何度か泣きました。オススメです。

 

 

・はんどすたんど!

はんどすたんど! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

個人的に本当にツボな漫画です。同人誌を買っていたくらい好きな作者さんの作品です。表紙の女の子が主人公な体操部の漫画なんですけど、彼女はここから一切表情が変わりません。キャラの空気感とギャグのバランス感覚がすごい。体操部だけに。



・上野さんは不器用

上野さんは不器用 1 (ヤングアニマルコミックス)

天才女子高生で科学部部長の上野さんが、部員の田中に発明品を使ってアプローチする漫画です。ワードとギャグのセンスと、あと尋常ではないフェチをひしひしと感じる。思わずテンポよく読み進めてしまう面白さがある。すごい好きです。

 

 

スペシャ

スペシャル (2) (トーチコミックス)

文脈の統合性が狂っているようで緊密に合わさっているような気がする、そんな世界観が絶妙な台詞回しで成り立っている作品です。漫画としての文体が独特で、そこが魅力で引き込まれるように読んでしまいました。続きがとても気になる。

 


・ふらいんぐういっち

ふらいんぐうぃっち(6) (週刊少年マガジンコミックス)

永遠に読みたい。

 

 

全部思い出せてない気がする。思い出したら追記します。人に漫画を貸しすぎてて本棚がスカスカなのは気のせいだろうか。

来年は『刻刻』も『封神演義』もアニメ化するらしいので楽しみですね。

体操部だけに、は忘れてください。