sora tob sakana「deep blue」
sora tob sakanaという、本当に応援していたアイドルが解散を発表した。
sora tob sakanaの活動に関するお知らせ -sora tob sakana Official Website-
長い活動の中で他者への想像力を培った彼女達が、誰にも触れさせなかった聖域をしなやかに解放していく様を感動しながら、少し寂しいような、少し自慢したいような気持ちで見ています。
sora tob sakanaの魅力は、少年少女たちだけが持つ無垢と自我の気高くも緊密なバランスにあると思う。
大人になると失われていく、今なら何でもできそうだという全能感と、それが幻想だと自覚している少女たちの瞬間的なゆらぎが、決して触れられない聖域のように感じられる。
そんな中、先日発売されたラストアルバム「deep blue」は、新規書き下ろしの2曲に併せて、これまで発表されてきた楽曲が再録されていて、sora tob sakanaが辿ってきた軌跡そのもののような一枚だった。
1stアルバムの最後の曲が、ラストアルバムの最初の再録曲になっていて、始まりの終わりから追憶が始まるメッセージ性に打ちのめされてしまった。ヤバすぎるだろ。
一度爆発したので落ち着きました。
再録された曲と初出の曲を改めて聴き比べると、同じ楽曲でも感じる印象が大きく異なっていると気づく。
この印象や感覚を言語化するのは本当に野暮で、これらを全身全霊で表現してきた人たちがsora tob sakanaというアイドルだったのだと思う。
アルバムの最後は「untie」という曲で終わります。
曲名のごとく、sora tob sakanaという歴史が「ほどけて」いくような、静かな音楽だった。
決して平坦では無かっただろう、アイドルという戦国時代を泳いできた彼女たちが、深く青い海に還っていくような、さよならが伝わってきました。
これからも何度も何度も聴いては、輝いていた星々を眺めて、歴史に想いを馳せるのだろうと思う。
sora tob sakanaの皆さん、それに関わってきた全ての方々、ありがとうございました。
これからもそれぞれの世界でしなやかに泳ぎ続けてほしい。
おわり