胃カメラの話

胃カメラを飲みました。

なんで入院してるの?と聞かれるんですが、自分でもよくわからないので答えられない。原因不明の病とはまさにこのこと。

流されるまま入院して、流されるまま色々な検査をしている途中で、担当の先生から小声でボソッと「胃カメラするかも…」と言われて、小声で言うことは大抵本当に言いたいことなのでそこで胃カメラを覚悟しました。

夕暮れの通学路で別れ際に制服の女の子に「すき…」とか小声で言われたかった。

胃カメラはめっちゃつらいイメージしかなかったので猫背で検査室に行った。
待合室に着いたら「じゃあまずいと思うけどこれ飲んでね」とコップを渡された。胃を綺麗にする薬らしい。

隣の細いおじいちゃんは渡された瞬間にスッ…と飲み干していて、歴戦の猛者みたいな感じがした。病院は病弱そうな人ほど歴戦の猛者みたいな感じがして面白い。弱そうなおじいちゃんが実はめっちゃ強いみたいな展開がすごい好きだ。

まずい水を飲み干して、またボーッとしながら椅子に座って本読んでたら隣にお母さんに連れられてきた女の子が座った。
こんな子も胃カメラするのか…つらそうだな…大丈夫かな…と心配してたら、看護婦さんも心配だったらしく「このお薬まずいと思うけど頑張って飲んで!頑張ってね!」と精一杯励ましていて、僕も心の中で「頑張れー…」と励ましていたら看護婦さんに「はいじゃあこれ飲んで」と同じ薬を渡されて「えっ、俺さっき飲まなかったっけ、いや、さっき同じやつ、あれ、えっ」と動揺した。
何も言わずに飲んだ。

そのあと喉の麻酔ということで氷みたいなものを口に放り込まれた。トロトロ状の麻酔を凍らせたものらしく、舌で転がして溶かして飲み込むらしい。口の中の感覚がなくなっていく。まずい。あっ、まずい(麻酔のイントネーションで)。

なんか喉の麻酔切れてきた気がしてきた。

ドキドキしながら検査室に呼ばれてそこで霧吹きタイプの麻酔を喉に吹きかけられたのでよかった。再び喉の感覚がなくなる。

看護婦さんに「肩の力抜いてね、抵抗すればするほど苦しいからね、口を開けたままゆっくり鼻から吸って口から吐く」と言われました。社会みたいだと思った。言われた通りにちょっと練習してみたら口開けてすごいアホみたいだったのでもう本番でやることにしました。

「じゃあ入れますね〜」ってすごいナチュラルに入れてくるので覚悟する暇がなくて、入れられた瞬間が一番つらくてオエッとなることはなかったんですが、喉にモノが突っ込まれて身体の中にチューブが入ってくる感覚がしてすごい違和感があった。チューブのすごい根元まで入れられ「これ胃カメラじゃなくて腸カメラじゃん…」と涙とよだれを流しながら思った。あとは必死に呼吸してたら終わっていた。以上です。というか胃カメラの話ほとんど言うことがないですね。なんで胃カメラでブログ書こうと思ったんだ。

胃カメラの話おわり。